J1昇格プレーオフ 準決勝
2017年11月26日(日)16:00KO パロ瑞穂
攻撃スタイルが激突! 1年でのJ1復帰を目指す名古屋か。7連勝と勢いに乗る千葉か。
1年でのJ1復帰を目指す名古屋か、2009年以来となるJ1昇格を狙う千葉か。昇格プレーオフ準決勝は、“オリジナル10”同士のしびれるカードとなった。
名古屋は今季の明治安田生命J2リーグで勝点75を確保し、3位となった。優勝候補と目されながらも自動昇格を逃したのは誤算だが、苦しい時期を過ごしたシーズン前半からなんとか巻き返し、昇格プレーオフ出場権を手に入れた。
シーズンを通してみれば不安定な戦いが続いたが、夏場以降は風間 八宏監督が求めるスタイルが次第に形となり、新加入のガブリエル シャビエルもハイパフォーマンスを披露して、着実に勝点を積み重ねた。25節からは5連勝を達成し、34節からは7戦負けなしを記録。最終節でも快勝を収め、福岡をかわして3位でシーズンを終えた。
リーグトップの85ゴールを記録した攻撃力はやはり脅威であり、前述のガブリエル シャビエルをはじめ、シーズン終盤に得点を量産したシモビッチ、さらに今季ブレイクを果たした青木 亮太ら攻撃のタレントが、この昇格プレーオフでも大きなカギを握るはずだ。
一方の千葉は、3年ぶりのプレーオフ進出となる。今季就任したフアン エスナイデル監督のもと、アグレッシブなサッカーを展開したが、シーズン前半は失点が多く、不安定な戦いが続いた。ツボにはまった時の破壊力は目を見張るものがあるが、あっさりと崩れてしまう脆さも同時に抱えていた。その状況はシーズンの折り返しを過ぎた9月まで続き、今年も昇格プレーオフ出場が困難かと思われた。
しかし、10月以降、千葉が見せた戦いぶりはまさに神がかっていた。36節に岡山に快勝を収めると、松本、福岡、大分といった上位陣を次々に撃破。そして最終節、勝点3こそが求められた横浜FC戦では、終了間際の一撃で2-1と劇的な勝利を収め、まさに滑り込みで昇格プレーオフの出場権を確保した。
7連勝と勢いに乗って迎えるこの昇格プレーオフでも、千葉の攻撃サッカーが猛威を振るいそうだ。CFのラリベイを起点とし、為田 大貴、船山 貴之、町田 也真人の2列目が果敢にゴールに迫っていく。名古屋の85には及ばなかったものの、徳島の71に次ぐ、リーグ3位の70得点を記録した攻撃力は、このチームの最大の特長と言っていいだろう。
互いに攻撃力が持ち味のチーム同士の対戦だけに、緊迫した戦いとなりがちな一発勝負の戦いでも、激しい打ち合いが展開されるかもしれない。とりわけ、引き分けでは規定上、敗退は決まる千葉にとっては、立ち上がりから積極的な戦いを示す必要がある。
今季の対戦では千葉が2勝で、11日に行われたばかりの第41節では3-0と快勝を収めている。相性の面、さらには勢いでも千葉が上回るものの、ホームで戦える名古屋はリーグ戦上位チームとしての意地を見せたいところ。大一番で力を発揮する佐藤 寿人や玉田 圭司といったベテランの存在も心強い。彼らの経験値が勝敗を分ける重要なポイントとなるかもしれない。